D.A.N. were formed in the summer of 2014 in Tokyo. Their unique and thoroughly modern sound, sitting somewhere between the minimal alt-pop of The xx and the live dance music dynamic of Caribou has won them fans throughout their home country, and an offer to appear at the prestigious Fuji Rock Festival in 2016 has been swiftly followed by the band opening for international artists including James Blake and Floating Points in Japan. Late 2017 took the band to London, where they spent some time recording with Floating Points at his personal studio, appeared on Giles Peterson’s Worldwide Radio and performed at the legendary Hackney hipster haunt The Shacklewell Arms. With influences ranging from underground house and techno through to psychedelic and African music, the three piece are equally at home in the club as they are on a festival stage, and are being widely touted as the most exciting prospect to emerge from the Tokyo scene in many years.
ワンマンツアー、OGRE YOU ASSHOLEとのジョイント・ツアー、そして初の海外公演などなど、2017年はまさに大きな飛躍の年となったD.A.N.。音源面でも、ディープ・ハウス的なグルーヴとメランコリックなメロディが交差する人気曲「SSWB」、そしてアフロビートのグルーヴを幻想的に展開し、その表現のスケールを拡大して見せた表題曲を含む、ミニ・アルバム『Tempest』をリリースした。そんな彼らが、続く、2018年に初のリリースとなる新録曲2曲を配したデジタル・シングルをリリースする。すでにどちらもライヴで披露されているので、足繁く現場へ通うファンには「あの曲」のリリースと言っていいだろう。
イントロから波のごとく繰り返すシンセのループ・フレーズに絡め取られる「Chance」は、市川仁也(Ba)、川上輝(Dr)のリズム隊による、まるでブレイクビーツのようなダウンテンポを足場に、櫻木大悟のファルセット・ヴォイスが、戻れない時間に置いて行かれた孤独を歌い上げ、楽曲は進むにつれ、その後半では一気にヴォルテージを上げ、トランスへと昇華していく。静寂のなかからはじまり、一気にステージの前の空間をそのサウンドで自らの世界観へと飲み込む、ここ最近はライヴでもキーになる曲と言えるだろう。そのサウンドはまさにここ数年のライヴの経験がそのまま示されている楽曲と言ってもいいだろう。
対して「Replica」は彼らのソングライティングの、さらなる熟達が垣間見える楽曲と言えるだろう。Rhyeなどを想起させるアンビエント・タッチのエレクトロニックな質感に、エスニックな味付けのなされたリズムが幻想的に、ゆっくりとかすかに揺れるグルーヴ。櫻木大悟の耽美なファルセット・ヴォーカル、そしてサウンドのスペースまでも美しく端正な世界を微細なる筆力で、そのコスモロジーを描き出す。ファースト・アルバムの「Time Machine」あたりで見せたサウンドの感覚を、さらに研ぎ澄ました、そんな感覚の楽曲とも言えるかもしれない。
海外フェスの出演など、すでに決定している今後の活躍にもさらなる飛躍が垣間見れるいま、さらなるサウンドの進化 / 深化を遂げている彼らにもはや死角はないのかもしれない。