自由に浮遊する言葉がやがてひとつの宇宙観を形作る15分の壮大なフォークロックナンバー「Sometime In Tokyo City」から3ヶ月余り、曽我部恵一から新しい歌が届けられた。
「永久ミント機関」と題されたこの新曲は、ある夏のシーンを通して過去と未来を見渡すようなエレクトロでダンサブルなサマーチューン。
良くはねるギターカッティングとタイトな4つ打ちが導く、オーセンティックでありながらも革新的なポップ。ドラマティックに転調するコード進行の上でじっくりとストーリーを描きながら、歌はひとつのシンプルなメッセージにたどり着く。
だれもが心に秘めたノスタルジーやファンタジー。それらがミントの香りとともに解き放たれ、今を生き抜こうとする魂にカラフルな力を与える。この曲はそんな瞬間のサウンドトラックだ。
ジャケットアートワークには、研ぎ澄まされた青春を透明な筆致で描き再評価著しい漫画家・伊藤重夫の1986年の傑作「踊るミシン」の一場面を引用。曽我部が大ファンだという伊藤重夫の描く少女の眼差しが、この曲の推進力を加速させる。
2020年の夏、忘れられない夏。あなたの心の永遠の緑が、風に揺れている。
アナログ盤12インチシングルには、オリジナルバージョンとインストゥルメンタルの新曲「MELTING 酩酊 SUMMER」が、それぞれA面B面に収録される。